人間をはじめ生き物は水がないと生きられませんが、昔から完全にひからびて死んだような状態でも、水をごく少量与えただけで生き返る生物の存在が知られていました。
(例えば砂漠に生息する植物イワヒバ、緩歩動物のクマムシ、酵母など)
近年になってこの「復活現象」の原因は生物の細胞内にある糖によることがわかりました。その糖こそがトレハロースです。トレハロースは水に変わって細胞を守る働きをしていると言われています。だから別名「命の糖」「復活の糖」と呼ばれています。
トレハロースの語源は旧約聖書に登場する「マナ」という食物です。モーゼがイスラエルの民を率いて砂漠をさまよっている時、荒野にうっすらと生えている白い実を「マナ」と呼び、カナンの地までたどり着く40年間食べ続けたそうです。(出:エジプト記) この話に出てくる「マナ」というものの1種にtrehala manna があり、それにはトレハロースがたっぷり含まれています。このtrehala manna がトレハロースの語源になりました。