2012/02/22
阿部剛久です。
建設会社というのは、やはり職人さんが良い仕事をしてくれて成り立つと思います。
僕たちは、職人さんが良い仕事が出来るように、良い仕事になるように導いていくような事も
仕事なのですが、職人さんが良い仕事をしたくても出来ないような場合もあります。
物理的に無理と言うか、手が付けられないと言うか。
今回はそんな無理だった場所を可能にしてくれる、あっぱれな職人達に出会えました。
もう20年近くメンテナンスなどをさせていただいている4階建てのビルがあり、
屋上を防水したり、外壁を塗り替えたり、給水管の切替をさせていただいていました。
でも、どうしても東側のとなりの建物との間の壁を塗る事が出来ないでいました。
そうなんです、隣との壁と壁の間が無いんです。
わずか20cmくらい。
今まで係わった職人さんはみな「入れません。」と塗替えなどの工事をあきらめていました。
でも、長雨が続いた後などにその面の壁が湿っていたりするので、隣の建物の窓から
長柄を付けた刷毛やローラーで、なんとか少しでも壁を塗って水が廻らないようにしていました。
そんな工事では、しばらくはよくても、またすぐに壁が湿ったりするし、
全体を塗れないので気持ちの中でずっと引っ掛っていました。
今回、2、3年塗装などの工事をお願いしている職人に、その隣のビルの改修工事の話しをし、
「このせまい壁と壁の工事、なんとかやりようがないかな?」と相談すると、
「やりましょう、なんとか入ります、がんばります。」と言うのです。
ちょっと大袈裟かもしれませんが、『捨てる神あれば拾う神あり』です。
正直、実際やりだしてみれば、「やっぱり、出来ませんでした。」と言うかもしれないな、
なんて少し思ってもいたのです。
それが、多少うめき声のような物をあげながらですが、ちゃんと足場を建てて、
ケレンしてシーリングもして塗ってくれているんです。
うめきながら作業をしている職人に「大丈夫?」と聞くと、
「えーなんとか!頭悪いから頭小さくて。」なんてニコニコ答えてくれます。
そう、まさにねずみやゴキブリが頭さえ入ればどんなに狭い所でも侵入してくるってやつのようです。
そんな言いかたしたら、悪いですけどね。
その工事をしている所に行くたびに「ご苦労様、ありがとうね。」と言っています。
別の現場の防水工事でも、この職人に助けてもらいました。
若いパワーってすごいですよね。あっぱれです。